ことばの森をかきわけて歩いている。
ことばの森をかきわけている。
今、タフマンがあつい。
知らない街、知らない道を歩く。
そこには自分がいない。
移ろう景色をなぞるカメラがただ道を這っている。
街角の果てのアミューズメントパークまで連れてく道を忘れてしまう
今、どんな森をかきわけて歩いているのか。片手には空になって冷えたコーヒーカップを携えている。
意味もなく対岸でのみ通じ合う距離の話をしているつもり
公園の果てはわからないまま道に溶けていく。そうして道がどこまでも続いていく。
冷めた椅子・机に空のぬくもりが刺さる痛みをことばに換える
だから歩いている。猫の後ろ姿を追う。老人に怪訝な顔をされる。何度もこちらを振り返る。
夕やけと夜の狭間に置いてきた焼きいもの音 辿る道すじ
情けなさとは朝焼けのような脆さで降ってくる光のことだと言っている。
ことばの森をかきわけて歩いている。
2022/1/31